ソリューション事業 H.Sさん 写真 本社
本社 技術部
2015年入社

H.Sさん

苦労して完成した製品が、お店に並んだときの喜び

技術部に所属し、衣装ケースなどハウスウェアを製造するための金型製作に携わっているH.Sさん。 プロフェッショナルな集団に属し天馬製品の土台とも言える製作管理を担う彼に、技術部の仕事にはどのような苦労と充足感が備わっているのか、語っていただきました。

新製品のための金型の見積もり、仕様決定から修正まで

私は大学で機械工学を学び、就職先は製造業を考えていました。製造業では製品のパーツをつくる企業も多いですが、天馬ではお客様が日々の生活で使うハウス製品を、完成品としてつくっています。そこに大きな魅力を感じたんです。

入社後は研修として、1年間ほど滋賀や新白河の工場に配属され、製品の成形や金型のメンテナンスをしていました。
その後はずっと、衣装ケースなどハウスウェアを製造するための金型の製作に携わっています。製品で言えば、ベランダに置いて灯油缶を入れる「大きく開くコンテナー」、キッチンの隙間などに置いて使える引き出し収納「スキピタストッカー」など。最近では、輸送コストを抑えるために小さくして運べる「組み立て式収納ケース」などの金型製造が増えています。

私どもの業務は、開発部から新製品の計画が伝えられるところから始まります。それに対し、製品が計画通り、形状的に成形できるかどうかを判断、さらには1個何秒で成形できるか、コストはどれくらいかなど、生産にかかる時間や費用を算出します。それをふまえ、いよいよ金型の製作が始まります。

大きく開くコンテナー

依頼する金型メーカーを決め、工場の担当者とも相談しながら金型の仕様を決めます。金型の設計自体は金型メーカーが行いますが、メーカーの提案を確認し、修正指示や要望を出すのが私たちの仕事です。金型が出来上がったら、射出成形機に載せ、プラスチック樹脂を流し込みます。でも最初は何かしらの不具合が起きることが少なくありません。その原因をつきとめ、金型を修正したり、形状の変更を依頼したりすることも、私たちの重要な仕事なんです。

想定外のことが多いものづくりの現場は、試行錯誤の連続

最近は新製品だけでなく、これまで使っていた金型が古くなり、使えなくなったため、修理するケースも増えていますね。プラスチック成形機は最大2500トンもの力で打ちつけるため、長年使っているとどうしても金型が変形したり、割れたりと劣化します。そういった場合も、私どもが金型メーカーに修理の指示を出します。

また金型づくりにも納期があります。ときには納期までの完成が難しくて、ヒヤヒヤすることも。とくに今でも忘れられないのが、初めて担当した「大きく開くコンテナー」の金型づくりです。もともとスケジュールがタイトだったのですか、製品にガスの気泡が入り、なかなか抜けませんでした。さまざまな解決策を試みても解決しない。そうこうするうちに、納期はどんどん迫ってきました。あせりとプレッシャーのなか、必死で金型メーカーの方と、金型を削るなどの調整を続けました。何とかギリギリ、納期までに完成させることができた時は、心から安堵しましたね。

この仕事で一番難しいのが、不具合の原因を特定することです。金型から製品を取り出すとき、うまく取り出せなかったり、金型に樹脂が張り付いてしまったりすることがよくあります。無理に取り出すと、変形してしまったりもします。なにが原因でそのような不具合が起きているのか。それを検証するわけですが、何度やっても原因がわからないときは、本当に苦労します。

ものづくりの現場というものは、最初から設計図通り、計画通りに進むことなどありません。思わぬトラブルや想定通りにいかないことなど日常茶飯事です。でもそれをいかに解決するかが、腕の見せ所です。必死で知恵を絞り、まわりの人の力も借りながら、何とか問題を解決できたときは、本当に嬉しいですね。

このような試行錯誤を楽しめる人にはこの仕事は向いています。やりがいも大きいでしょう。私自身、不具合が自分の考え通りに直ってきれいな製品が出てきたとき、金型メーカーとの事前打ち合わせがうまくいって最初から不具合が出なかったときなどは、心のなかで「やった!」と叫んでいます。

自分が経験を積むとともに、ベテラン社員の技術の共有、標準化もすすめたい

今、仕事で目標としているのは、試行錯誤の回数をなるべく減らすことですね。ベテラン職人が高齢化するなか、工場の省人化を進めるうえで、できるだけ不具合なく出荷できるようにしなくてはなりません。基本的には経験を積めば積むほど、試行錯誤の回数は減ります。不具合を見ると、すぐに適切な修理方法が思い浮かぶようになるんです。経験の積み重ねによって、自分のなかの引き出しが増えるからです。

逆に初めて遭遇する事態の場合、一人で悩まず、率直に先輩に相談することも大事です。経験豊富な先輩に聞けば、すぐに解決することもよくあります。そのようなベテラン社員が長年かけて培ってきた奥義とでもいえる技術を、若手に共有することも大事です。今後は、そのような技術の標準化もすすめていきたいですね。

技術1課から4課まではベテラン社員揃い。金型に関するプロフェッショナル集団です。でも困りごとがあれば、所属部署に関係なく、親身に相談にのってくれる雰囲気があります。誰かが残業になりそうな時は、まわりが自然とフォローしあう。そんな風土もあります。納期通りに完成させるという意味では厳しい面もありますが、とても働きやすい職場です。

そしてこの仕事をするうえで、最も大事な素養はコミュニケーション能力です。工場や本社、金型メーカーとの連絡や指示、調整や交渉が仕事の中心だからです。もちろん理数系の素養も、あるに越したことはありません。でもかなり特殊な分野なので、学校で学ぶことより、研修や現場で身につけるもののほうが圧倒的に多いです。わからないことは、社内の人に聞けばいくらでも教えてもらえるし、入社後にいくらでも学べます。

私がこの仕事をしていて一番嬉しいと思う瞬間は、自分が携わった金型でつくられた新製品がお店に並んでいるのを見たときです。さらにそれを手にとり、買っていただいたお客様を見たときは、「天馬という会社に入ってよかった」と心から思うんです。

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